用語大全集:配水池

関東水道修理隊

配水池のご解説

配水池は浄水場から送られた浄水を一時的に貯留し、需要量に応じて流出制御を行う施設です。


配水池は浄水を貯える施設ですので、外部からの汚染が防げるよう水密性が高く、衛生的で、かつ耐久性・耐震性に優れ、停滞流を生じない構造でなければなりません。・水深と容量:配水池の高水位と低水位の間の深さのことを有効水深と呼び、3~6m程度が標準です。また、この範囲に貯留される水量を有効容量と言います。有効容量は、「給水区域の計画一日最大給水量の12時間分を標準とし、水道施設の安定性等を考慮して増量する」とされています。
設置形式:
地表に対してどの位置に配水池が築造されるかにより、地上式、地下式、半地下式に分けられます。大回径トンネルの容積を利用して貯水する隧道配水池という形式もあります

配水池の水量管理について
配水池の水量管理とは、需要の変動に対応しながら安定的に水を供給し続けるために配水池内の貯留水量を常時適正範囲に維持することを目的とし水源からの送水量と需要地への配水量の差を調整する役割を担い、配水池の水位が過剰に上昇した場合には溢水による損失や衛生リスクが生じ逆に水位が過度に低下した場合には配水圧力の低下や断水の危険があるため、これらを防止するために、ポンプの運転制御やバルブの調整、さらには遠隔監視システムによるリアルタイムの水位監視と自動制御機構を活用して管理を行う必要がある。配水池は一般に昼間の水需要が高く夜間が低いという日変動に合わせて水位を上下させる運用がなされ夜間の余剰水を貯留して昼間に放流することでポンプの負荷平準化と送水設備の効率的運用を可能とし加えて災害や事故などによる水源供給停止時に備えた非常用水の確保機能も担っており、この非常用水量の設定にあたっては地域の人口、使用パターン、予測されるリスクに応じた安全率を含めた設計が求められる。さらに、配水池の水量管理には気象条件や工事による送水停止など突発的な要因も考慮する必要があり、こうした要因に対応するためには過去の実績データに基づく需給予測モデルやAIを活用した水位予測アルゴリズムの導入も効果的である。配水池の構造や規模によっては複数の系統間で連携運用を行い相互補完によって全体の水道システムの弾力性と信頼性を高めることができ、特に都市部では複雑な配水網と多数の需要点を持つため高度な水量制御と精密な運用計画が不可欠である。適切な水量管理は無駄な水の流出を防ぎ省エネルギーにも貢献するため経済的かつ持続可能な水道運営を支える基盤として極めて重要な役割を果たしている。