クリプトスポリジウムのご解説
人や家畜の消化管に寄生する寄生虫の一種。クリプトスポリジウムで汚染された食物や飲料水などを口から摂取することで感染します。(塩素消毒に強く、健康状態にもよりますが感染すると腹痛や下痢や発熱を引き起こします)平成8年に埼玉の越生町で町営の水道水が原因で大規模な水系感染が引き起こされたことからその対策の重要性が認識されました。
厚生労働省の水道におけるクリプトスポリジウム暫定対策指針について
目的
水道水中のクリプトスポリジウムによる感染症については、米国ウィスコンシン州ミルウォーキー市で40万人以上が感染した事例など、海外でいくつかの事例が報告されている。このような状況を踏まえ、WHOにおいても1995年12月から、クリプトスポリジウムを含む病原性微生物に係る飲料水水質ガイドラインの検討を開始したところである。
平成8年6月には、我が国で初めての水道水中に起因するクリプトスポリジウムによる感染症が埼玉県越生町で発生した。
我が国の水道原水におけるクリプトスポリジウムの存在状況や、浄水場における除去又は不活化などの方法については、今後の本格的な調査研究に待つべき部分も多いが、水道におけるクリプトスポリジウム対策の緊要性に鑑み、水道事業者、水道用水供給事業者及び専用水道の設置者(以下、「水道事業者等」という。)並びに都道府県が当面講ずべき予防的措置や応急措置等について、暫定対策指針を定めるものである。
感染経路について
クリプトスポリジウムは人間や哺乳動物(ウシ、ブタ、イヌ、ネコ等)の消化管内で増殖し、感染症をもたらす。これらの感染した動物の糞便に混じってクリプトスポリジウムのオーシストが環境中に排出され、オーシストを経口摂取することにより感染症による被害が拡大する。水源がクリプトスポリジウムにより汚染された水道においては、浄水場でクリプトスポリジウムを十分に除去できなければ、水道水を経由して感染症による被害が拡大するおそれがある。
汚染のおそれの判断
予防対策
☆施設整備
クリプトスポリジウムによって水道原水が汚染されるおそれのある浄水場では、クリプトスポリジウムを除去することができる浄水処理を行うこと。汚染のおそれがあるにもかかわらず、これらの浄水処理を実施していない浄水場においては、早急に浄水処理施設の整備を実施するか、又は、クリプトスポリジウムよって汚染されるおそれのない水源からの取水に変更すること。
☆浄水処理の徹底
(1) ろ過池出口の水の濁度を常時把握し、ろ過池出口の濁度を0.1度以下に維持すること。
(2) ろ過方式ごとに適切に浄水管理を行う必要があるが、特に急速ろ過法を用いる場合にあっては、原水が低濁度であっても、必ず凝集剤を用いて処理を行うこと。。
(3) 凝集剤の注入量、ろ過池出口濁度等、浄水施設の運転管理に関する記録を残すこと。
☆水源対策
表流水若しくは伏流水の取水施設の近傍上流域又は浅井戸の周辺にクリプトスポリジウムを排出する可能性のある汚水処理施設等の排水口がある場合には、当該排水口を取水口等より下流に移設し、又は、当該排水口より上流への取水口等の移設が恒久対策として重要であるので、関係機関と協議のうえ、その実施を図ること。
以上のことが厚生労働省の暫定対策指針とされています。(厚生労働省公示から一部抜粋)
クリプトスポリジウムとは
原生動物(原虫類とも言う)アピコンプレックス亜門胞子虫鋼真コクシジウム目クリプトスポリジウム科の唯一分類されている。腸管に感染して下痢を起こす病原微生物で人間に感染するのは主に<Cryptosporidium parvum>である。
水系感染することが認識されたのは、1980 年代になってからですが、
それ以降に汚染された水道水を原因とする大規模な集団感染を時々引き起こしています。
宿主は、人間以外にも牛、羊、犬、猫、マウスなど広範囲のホ乳類に及んでいます。
鳥類やは、虫類を宿主とする種もあります。
栄養型の生物は宿主の細胞内だけ見られ、宿主外ではオーシストとして存在しています。
クリプトスポリジウムのオーシストは球形で直径約5μmとかなり小さくて4 個のスポロゾイトを内包しています。
クリプトスポリジウムのオーシストは塩素に耐性でありますが、
水道水の消毒程度の塩素濃度ではほとんど不活化されいません。
平成8 年(1996)6 月に埼玉県越生町で町営水道水が原因となった大規模な集団感染を引き起こしたこと記録されていますから、その対策の重要性が認識されいて厚生労働省は、「水道におけるクリプトスポリジウム暫定対策指針」を全国に通知していて、
濁度0.1 度以下でのろ過水管理などの対策を取ることを求めています。
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