利水安全度のご解説
水道需要とダムの貯水能力から低確率で発生する”状況渇水”に対し、取水制限なしでの対応が可能か評価した指標のことである。☆20年に1回の割合で発生する規模の厳しい渇水まで対応できる場合
→「利水安全度20分の1」と言います
☆20年に2回の割合で発生する規模の渇水までしか対応できない場合
→「利水安全度10分の1」と言います
※ 2013年度は、異常気象で河川の反乱、水不足、洪水など、地域によってさまざまな事をおきました。
やはり、有限資源ですから大事に使っていきたいと感じていています。みなさまは、どうお考えになられるでしょうか?
利水安全度の管理について
利水安全度の管理とは、水資源の計画的かつ安定的な利用を確保するために水源の供給能力と需要のバランスを長期的視点で調整し渇水や異常気象などの不確実性にも対応できるようにする包括的な取り組みである。水需要の季節的変動や地域間の格差、気候変動による降水パターンの変化、水源の劣化や渇水リスクの高まりなど多様な課題に対応するためには、取水制限の基準や代替水源の確保、節水対策の徹底、貯水池の適切な運用計画、流域単位での需給調整、再生水や雨水の有効活用、老朽化施設の更新といった手段を組み合わせ社会的にも経済的にも持続可能な水利用の枠組みを築く必要がある。利水安全度は、統計的に見た年間を通じた安定供給の割合で定量的に評価され、例えば「利水安全度95%」であれば100年のうち95年間は需要を満たせる設計であることを意味し水利権の設定や施設設計、流量調整の根拠となる指標として重要視される。これを管理するには、流域の降水や河川流量の観測、地下水の涵養量、水道や工業用水、農業用水など各用途ごとの消費パターンを把握し、それらの変動要因を反映した水資源シミュレーションや確率論的手法を用いた長期予測が不可欠である。また、利水安全度の確保は水資源管理者のみならず自治体や企業、住民を含めた広範な関係者との協働が必要であり水利用の優先順位の合意形成、情報共有体制の整備、緊急時の応急措置体制の構築を通じて、平常時から危機時まで一貫して対応可能な体制づくりが求められる。さらに、昨今の気候変動によって従来の水資源計画では対応しきれない極端現象が頻発する中、過去データに依存するのではなく、気象モデルやAIを活用した動的かつ適応的な水管理が不可欠となり技術革新やデジタルツールを取り入れたスマートな利水安全度管理の導入が今後ますます重要性を増している。