消火栓のご解説
管路内の排水などにも使用されていますが火災発生時の消火用として配水管に設置する水栓のことを指しています。消火栓設置位置は、道路の交差点付近等消防活動に有利な地点を選定し沿線建物の状況に応じて100‐200m間隔に設置することに決められています。屋外消火栓設備とは
屋外消火栓設備は建物の周囲に設置され建築物の1階及び2階部分の火災の消火を目的としたもので、中期以降の火災及び外部より放水することにより隣接建物への延焼防止上有効な設備です。 屋外消火栓設備は屋内消火栓設備と同様に人が操作して使用するもので構成は屋内消火栓設備に準じますが、ホース接続口が50A若しくは65A以上で屋外を配管することが多いため、その埋設深さも一般敷地車両通路、重量車両通路、寒冷地、とそれぞれ決められています。屋外消火栓には、地上式消火栓及び地下式消火栓があり、地上式消火栓の中には屋内消火栓と同様に格納箱に開閉弁、ホース及びノズルがセットされているものがあります。また、地上式及び地下式には、ホースを接続する口が1個のもの(単口型)のものと2個のもの(双口型)のものがあります。なお、地上式及び地下式消火栓には、ホース、ノズル及び開栓器等を格納しておく「ホース格納箱」を設置する必要があります。



消火栓の取水口管理について
消火栓の取水口管理においては、火災発生時に迅速かつ確実に消防用水を供給するための基盤として、その設置位置の明確化、日常的な点検、定期的な整備が極めて重要であり、まず設置に際しては道路脇や交差点付近など緊急車両の接近が容易であり、かつ通行や作業の妨げとならない場所を選定し表示板や舗装面への明示により視認性を確保しておく必要がある。これにより火災現場での発見や接続作業を円滑に進めることが可能となるが、その後の管理段階では、取水口の開閉装置や接続部、バルブ、パッキンの摩耗状況、水圧の適正維持など多岐にわたる要素を定期的に確認し、異常が認められた場合には速やかに修繕を行う体制が求められるため自治体や水道事業体と消防機関が連携し共同で点検や訓練を実施することが現場対応力の向上にも直結し、さらに周囲の植栽やゴミ、不法駐車などによって物理的に使用が妨げられるケースもあるため、周辺環境の整理や地域住民への啓発も重要な管理業務の一環として位置付けるべきであり、また冬季の凍結対策としては、防凍型の消火栓を設置するか、防寒資材の活用といった保温対策を講じることにより寒冷地における使用不能リスクの低減が可能となる。
災害時における取水機能の確保も不可欠であり大規模地震などにより地中配管が損傷した場合には、予備消火栓や耐震補強済みの取水装置への切り替え運用を想定した対応計画を事前に策定しておくことが望ましく、さらにICT技術の導入により各消火栓の稼働状況や位置情報をリアルタイムで把握できるシステムの整備を進めることにより、現場指令と作業が効率化され、火災現場における迅速な消火活動に大きく貢献する。以上のように消火栓の取水口管理は、単なる設備保守ではなく災害時の人命と財産を守るための重要な防災インフラとして常に高い機能と即応性を維持し続ける責任を伴う業務であるという認識のもと関係機関が連携しながら不断の管理努力を重ねていく必要がある。