用語大全集:立軸ポンプ

関東水道修理隊

ご説明

ポンプは、据付形式により横軸と立軸の2種類があります。立軸ポンプの特徴は、羽根が水中にあるのでキャビテーションに心配がありません。高速回転が容易で呼び水装置が不要であり、据付面積が少なく原動機の設置位置を洪水位より高く据付けることができます。しかし、主要部が水中にありデメリットとして保守点検がかなり不便です。クレーン吊り上げの高さが高く機械的荷重が集中し単位面積当たりの荷重がかなり大きく一般的に価格は高額とされています。

特徴
立軸斜流ポンプ
?羽根車が水中にあるのでキャビテーションが発生しにくい構造。
?呼び水が不要で起動が迅速に行える。
?横軸ポンプと比較してスペースが狭くてすむ。
?強靭で調整可能な軸継手が羽根車とライナとのすきまを適切に調整し効率を常に高く保つことがでる。
立軸スクリュー付斜流ポンプ
?羽根枚数が2~3枚と少くスクリュー形状のプルスピン羽根を採用しているので吸込性能が向上して高揚程で使用してもキャビテーションが発生しにくい。
斜流ポンプよりも効率が向上しているので消費電力で設備容量の低減が可能。
羽根の間隔が広いので揚液中の異物をスムーズに通過させることが可能で閉塞の危険性が少ない。
高揚程スクリュー付斜流ポンプ(立軸)
高揚程の立軸渦巻斜流ポンプと比較し省スペース。
羽根車が1段で高揚程を行うため機器の簡素化が図れる。
吸込性能が優れているのでキャビテーションが発生しにくい。
高揚程であり幅広い流量変化に対応できる。
異物通過性能が優れているのでスクリーンの簡素化や後沈砂方式の適用なども可能。
立軸軸流ポンプ
羽根車が水中にあるのでキャビテーションが発生しにくい構造である。
呼び水が不要で起動が迅速に行える。
横軸ポンプと比較し省スペース。

立軸ポンプの仕組み
立軸ポンプとは、主に上下方向に長い軸を持ちその軸に取り付けられた羽根車を回転させることで水や液体を移送する機械である。動力は通常電動機から軸に伝えられポンプ内部の羽根車を回すことで流体にエネルギーを与え揚程を生み出す。羽根車は軸に固定されているため回転すると流体は遠心力によって外側へ押し出され圧力が上昇しこれにより流体が吸い込み口から吐き出し口へ送られる。ポンプの軸は縦方向に配置されているため設置スペースが比較的狭く縦長の構造となる。軸受けやシール部品はポンプの上部または下部に設けられポンプ内部の水漏れや摩耗を防止している。吸い込み口は通常ポンプの下部に設置されており液体を効率的に取り込み回転する羽根車に導く役割を果たす。吐き出し口は上部や側面に位置し流体を管路へ送り出す。立軸ポンプは冷却水循環や工業用水の供給、排水処理施設などで広く使われている。特に揚程が高く大流量を必要とする場面で性能を発揮する。メンテナンス面では軸の長さや構造上の特性から点検や修理時に分解が容易であることが多い。設計により多段羽根車を用いて効率的に高い圧力を発生させることも可能である。これにより使用環境や目的に応じた柔軟な運用ができる。総じて立軸ポンプは縦軸の回転運動を利用し液体を効率よく移送するポンプとして様々な産業分野で欠かせない存在となっている。