用語大全集:横型加圧脱水機

関東水道修理隊

横型加圧脱水機のご解説

浄水処理過程中、スラッジ原水中に浮遊した汚濁物質を泥状にします。それに機械的圧力を加えて脱水する機械のことです。※主に縦型に比べ大型化が可能な、横型の加圧脱水機を主に採用されている。水温が下がる冬季には、コージェネレーションシステムなどから発生する蒸気によってスラッジ加温し脱水効率を高めています。

原理
ろ室内部に汚泥を圧入タンク経由または、ポンプから直接供給し、ろ布によって初期ケーキ層を形成し後にケーキろ過で脱水ケーキを生成する。
特徴
1) 汚泥のろ過特性に合わせてろ室の厚さを設計し汚泥を段階的に加圧供給するので難ろ過性の汚泥まで適用可能。
2) 構造がシンプルなのでメンテナンスが容易である。
3) 運転管理がケーキ排出時のみで充分である。


横型加圧脱水機の使用目的と使用効果について
横型加圧脱水機の使用目的と使用効果について述べるにあたり、まずこの装置は主に下水処理場や産業排水処理施設などで発生する汚泥を処理するために用いられ、脱水処理によって汚泥の含水率を低下させ、体積を大幅に減少させることを目的としており、処理後の脱水ケーキは焼却や埋立、再資源化などに利用され最終処分の効率化やコスト削減にも寄与するものであるため、横型加圧脱水機はその構造上、連続的な運転が可能であり、脱水工程が自動化されていることにより運転管理が比較的容易であるという特長を持ち、またスクリュープレスや遠心脱水機に比べて構造が安定しており、装置の振動が少なく、稼働中の騒音も抑制されていることから都市部や施設内の制限された空間でも導入しやすい利点があるといえ、さらに処理対象となる汚泥に対して高い脱水性能を発揮しやすく、ケーキの含水率を効率的に下げることができるため運搬や焼却時のエネルギー削減にも直結し環境負荷の軽減と持続可能な廃棄物処理の実現に貢献するものであり、また装置の構造が密閉型であることから、悪臭の発生を抑えることが可能となる。作業環境の改善や周辺住民への配慮の面でも大きな効果を発揮しする。必要なメンテナンスが比較的少なく、日常点検や部品交換の頻度も低いため、長期的な維持管理コストの抑制にもつながり、結果として、横型加圧脱水機は汚泥処理の効率化、運用の省力化、周辺環境への影響低減、最終処分コストの削減といった多面的な効果を実現し、持続可能な社会基盤の形成と環境保全を両立させる重要な装置であると位置付けられる。