有収率のご説明
有収率とは,給水する水量と料金として収入のあった水量との比率です。具体的には,下記の式で表されます。?計画有収率=計画一日平均有効有収水量÷計画一日平均給水量
有収率の高低は直接水道事業の経営に影響するので,これを高いレベルに維持することは水道事業者の責務であるといえましょう。また,有効率とは,給水する水量と有効水量との比率で算出式は以下のとおりです。
?計画有効率=計画一日平均有効水量÷計画一日平均給水量
有効水量とは,概念的には,有効に使用された水量を指し,需要者に給水された水量(有収水量,及び需要者にいきわたったがメーターの精度上計上されなかった水量(メーター不感水量),事業者の維持管理の都合上消費された水量(局事業用水量),公共の用途に無償で提供された水量などに分類されます。
なお,無効水量(有効に使用されなかった水量)は,主として管路等の漏水や事故による逸失,赤水などによる供用不適水などが原因で発生します。
有収率の仕組みについて
有収率の仕組みとは水道事業において給水された水のうち料金を適切に収受できた割合を示す重要な指標であり水道施設の運営効率や経営健全性を評価するための基本的な指標であるとされている。有収率は一般的に有収水量を総配水量で割った値として算出され有収水量とは使用者から料金を徴収できた実際の使用水量を指し総配水量とは浄水場などから配水された全ての水量を意味するため両者の差は無収水量と呼ばれ漏水や不正使用計測誤差などによって発生する水道事業における損失とされる。有収率が高いということは水の供給に対して適正な対価が得られている状態であり水道事業者の財政運営が安定していることを示す一方で有収率が低下すれば収益の悪化や経営の逼迫水道料金の引き上げといった問題に直結するためその改善と維持は極めて重要である。有収率を構成する要素には主に三つあり一つは漏水であり老朽化した配管や継手部分の破損地震や交通振動などによって配水管が損傷し水が地中に漏れることで水道メーターを通らないため料金の徴収ができない。二つ目は計量誤差であり水道メーターの経年劣化や測定精度の問題により実際の使用水量が過小に記録され結果として収益が得られなくなる。三つ目は不正使用であり届け出をせずに配管を接続して水を使用するケースや故意にメーターを操作する行為などによって発生しこれらの対策には定期的な検針調査や現場確認法的対応が求められる。また有収率の向上には漏水調査の徹底配水管更新の推進検針精度の向上適正な料金制度の整備といった複合的な対応が必要であり特に近年ではICTやIoTを活用したスマートメーターの導入やリアルタイム監視による異常検知といった技術的支援によって早期発見と対応が可能になりつつある。加えて自治体や水道事業体は住民に対して節水や水の適正利用の啓発を進めることで社会全体として水資源の効率的利用と料金収受の公正性を保つことが求められている。有収率の仕組みは単なる収益率の数値ではなく配水インフラの健全性管理体制の質財務健全性に直結し水道サービスの持続性を確保するために不可欠な要素であるため継続的な見直しと技術革新による改善が必要とされている。