用語大全集:ボールタップ

関東水道修理隊

ボールタップ

ボールタップとは、支持棒(シャフト)の先端に浮き玉がついていて、トイレタンク内に貯まっている水位の上下変動によってボールの変位によってレバー付け根の弁を開閉する給水用部品のこと。
メーカーによっては、フロート弁と言われていることもあります。水位が下がって給水が必要となると浮き玉が下がることによって、つけ根の開閉弁を開いて給水が始まる仕組みです。タンクの給水栓に取付けて自動給水に用いる部品のこと。タンク給水の水洗便所や受水槽、高置水槽、太陽熱温水器、クーリングタワーなどに使われている。
ボールタップは単式と複式があります。
単式とは、水洗便所のタンクのような満水時に給水を止めるだけの動作をする。複式は、支点が2個ありテコの原理で止水するために保持機能が大きくとれるものを言う。受水槽などの設備において減水時の警報と満水時の警報の2種類の役割を持たせたために使用されいます。

 
ボールタップの動作の仕組みについて
ボールタップはトイレの水タンク内で水位を自動的に調節する装置であり水が一定の高さに達すると給水を止める仕組みを持っている。具体的には、ボールタップ本体に取り付けられた浮き球が水面の上昇と下降に連動し、水位の変化を感知する。タンク内の水が使用によって減少すると浮き球も下がり、この動きによってバルブが開き給水が開始される。給水が進み水位が上昇すると浮き球も上昇し、その位置に応じてバルブが徐々に閉じ始める。やがて浮き球が設定された水位に達するとバルブは完全に閉じ、これにより給水が停止される。これがボールタップの基本的な動作サイクルであり、タンク内の水が常に適切な量に保たれるよう調整している。構造的には、ボールタップは金属やプラスチックで作られたバルブ本体と、空気を含んで浮く軽量な浮き球、そして浮き球とバルブを連結するアームで構成されている。アームは水面の高さに応じて上下に動き、それがバルブの開閉に直接影響を与える。バルブは給水管につながっており、アームの動きにより給水管の開閉を制御する。設置時には浮き球の高さを調整し、希望の水位に応じた給水停止点を設定できる。浮き球が損傷したり、アームの動きが妨げられると給水の調節が正常に行われず、水が溢れたり逆に不足することがあるため、定期的な点検や清掃が重要である。水質が悪い場合や長期間使用しているとバルブ内部にゴミや錆が溜まり動作不良を引き起こすことがある。これを防ぐためには水タンクのメンテナンスを行い、バルブ部品の交換も検討する必要がある。ボールタップは単純な機械的仕組みであるが、その精密な動作によりトイレの水使用量の無駄を防止し、安定した水流を確保している。環境保護の観点からも適切な水量管理は重要であり、ボールタップの役割はこれに直結している。近年では構造の改良が進み、耐久性が高く調整が容易な製品も増えている。加えて、水圧の変動に強い設計や節水機能を備えたボールタップも普及している。これらの改良は節水と快適な使用感を両立させるものであり、使用者の利便性向上にも寄与している。総じてボールタップは、トイレタンクの水量調節を自動化し、効率的で安全な給水を実現する重要な部品である。日常生活の中で意識されることは少ないが、安定した水供給を保つ上で欠かせない機械的装置として多くの住宅や施設で利用されている。故障や不具合が生じた場合には早期に専門業者へ修理を依頼し適切な動作を維持することが推奨される。