ベンゼン
溶剤と混合しよく溶けますが水も溶けにくい。化学式は、C6H6と表す。分子量:78.1。融点は:5.5℃、沸点:80.1℃。
常温常圧の状態では、無色透明の液体で独特の臭いがある。揮発性、引火性が高い。
工業用の有機溶剤として使用されていましたが、現在は他の溶剤に変更されています。
自動車用のガソリンに含まれていて自動車排出ガスからも検出さる。その許容限度は大気汚染防止法により1体積パーセント以下と定められています。日本では、労働安全衛生法において特定化学物質。大気汚染防止法では、特定物質。水質汚濁防止法では、有害物質に指定されている。環境基本法に基づく水質汚濁に係る環境基準では、人の健康の保護に関する環境基準の項目として位置づけられていて、その基準値は0・01mg/l以下とされています。
構造の特徴
ベンゼン環の平面六角形構造は特殊な化学結合で構成されています。
電子(π電子)が非局在化していることや各炭素間の結合距離が全て同一である。
結合長が単結合と二重結合のほぼ中間にあること。各炭素間の結合エネルギーが単結合より強く二重結合より弱いこと。
上記のことから、1.5重結合とも言われています。
炭素は、平面上の正六角形の頂点に配置されていて、各炭素はsp2混成軌道をとる。
単結合や二重結合が連続したものより高い安定性である。
この安定性は、芳香族性に由来しています。
反応性
ベンゼンは、さまざまなベンゼン誘導体の原料となります。
最も利用頻度の高い反応が芳香族求電子置換反応があります。
ベンゼンは、安定なので多くの場合触媒が必要となります。