水道管理の効率化とブロック化

関東水道修理隊

ご解説

配水区域のブロック化とは
配水区域のブロック化とは、水道網をいくつかの小規模な区画(ブロック)に分けて管理する手法を指します。この方法では、各ブロックが独立して機能するよう設計されており水道管理やメンテナンスの効率化を目的としています。
1. ブロック化の目的
漏水検知と修理の効率化
漏水箇所を迅速に特定し修理のために必要な遮断範囲を最小限に抑えることができます。
水圧の安定化
ブロックごとに水圧を調整することで供給エリア全体の水圧を安定化させることが可能です。
供給リスクの分散
トラブルが発生した際に、影響を限定されたブロック内に留めることで広範囲の断水を防ぎます。
計画的な設備更新
ブロック単位で設備の更新やメンテナンスを計画的に実施することで運用効率が向上します。
災害時の対応力強化
災害時に特定のブロックを遮断して被害を最小限に抑えたり復旧作業を迅速化したりすることができます。
2. メリット
維持管理コストの削減
小規模なエリアごとの管理により不要なコストを抑えられます。
住民への影響を軽減
トラブルや工事による断水範囲が縮小され住民生活への影響を最小限に抑えられます。
環境負荷の軽減
漏水を減少させることで水資源の無駄遣いを防ぎます。
3. デメリット
①管路の摩擦損失による圧力の低下
②地形の標高差による水圧・水量の不均衡
③事故時の影響範囲が大きいなどのデメリット
これらのデメリットの解決策として、配水区域を適当な広さに分割して管理することが有効な手段となります。このことを、一般的に「配水区域のプロック化」と呼んでいます。
ブロックと呼ばれるものには、通常、一つの配水池と配水本管で構成される配水ブロックと、これをさらに細分化し、配水支管で構成される配水支管ブロックとがあります。配水ブロックは、最大配水量地形・地勢、配水本管の布設状況や配水池の位置を勘案して設定します。また、配水支管ブロックでは、特に標高に応じ増圧区域や減圧区域を設定すると効果的です。なお、いずれもバックアップ機能を確保するため、配水ブロックでは隣接ブロックとの配水本管による連絡管の整備が、配水支管ブロックでは配水本管からの注入を2~ 3箇所程度は確保することが大切なのです。
4. 実現に必要な設備
バルブ設置
各ブロックを分けるための遮断バルブが必要です。
流量計・圧力計の設置
各ブロックの水流量や水圧を監視する機器を導入します。
配管ネットワークの最適化
配水管を適切に配置して効率的な水供給を可能にします。

配水区域のブロック化は、水道運用の効率化と安定した供給を両立するための重要な手法といえます。