用語大全集:海水の淡水化

関東水道修理隊

海水の淡水化のご解説

活性炭はガスや色素などに対して強い吸着能を持ち黒色をした炭素質物質。無定形ないしは微結晶状の炭素からできており、微細な孔(あな)を多く有することを特徴としています。大きな吸着性能により、有機物水中の臭いや油や洗剤成分等の通常の浄水処理では除けない物質を処理することが可能です。高度浄水処理では、粒状活性炭の表面に微生物を繁殖させた生物活性炭を使用しています。
海水淡水化のためには、まず海の水を取水する施設が必要です。当事業では、海中に取水管を設置する従来型の[直接取水方式]ではなく、海底の砂の中に取水管を埋設する[浸透取水方式]という新技術を採用しました。この新技術は「海の緩速(かんそく)ろ過システム」と呼ばれ、砂の層を利用して海水をろ過する方式で多くのメリットがあります。まず、海中に構造物が露出しないので漁業や船の航行の妨げにならず、強い波浪による構造物への被害も避けられるなど、安全性が高められます。また、海底の砂の層がフィルターの役割を果たすので水質が安定し、ゴミや不純物が少なく清澄な海水を確保できます。そして、魚の卵や海藻などを取水管に吸い込むこともないので、海洋生物の生態系など環境への影響も抑えることができます。取水管の中に付着するフジツボやイガイの卵なども砂の層でろ過されるので、管内の清掃作業が軽減でき、維持管理においてもコストダウンができます。さらに、波が寄せたり引いたりする力によっても海底の砂が動き、取水管の目詰りの原因となるゴミを取り除いてくれるなど、自然の力をできるだけ活用した新技術なのです。

海水の淡水化をすすめるためにわ
海水の淡水化を進めるためには、まず技術の進展とコスト削減が不可欠であり現在主流となっている逆浸透膜(RO)法や蒸発法(多段フラッシュ蒸発や多重効用蒸発)といった技術の効率を向上させるための研究開発を進めるとともに、エネルギー消費を抑えるために再生可能エネルギーの活用を推進し、例えば太陽光発電や風力発電を利用した海水淡水化プラントの導入を促進することで、化石燃料の使用を削減し持続可能な運用を目指すことが求められ、また、海水淡水化装置の設置には莫大な資本投資が必要であるため、官民連携や国際協力を強化し開発援助や民間資本の活用を通じて資金調達の多様化を図ることが重要であり、特に水不足が深刻な地域では、政府の支援や補助金の拡充を図ることで新規導入のハードルを下げる施策が求められ、さらに、淡水化によって得られた水を効率的に利用するために水インフラの整備や配水管理システムの最適化を進め無駄な水の損失を抑えながら、安定供給を実現することが不可欠であり加えて、海水淡水化に伴って発生する濃縮された塩分排水(ブライン)による環境負荷を低減するために排水の適切な処理方法を確立し、例えば塩分濃度の調整や海洋生態系への影響を最小限に抑える技術を開発することも大きな課題であり、これらの取り組みを総合的に進めることで世界的な水不足の解決に貢献し将来的には持続可能な水資源の確保につながるため技術革新・資金調達・環境対策・政策支援の各方面での積極的な取り組みが不可欠である。

海水淡水化装置の画像