用語大全集:取水施設

関東水道修理隊

取水施設のご解説

取水施設(しゅすいしせつ)は、河川や湖沼・貯水池などの地表水や地下水といった水源から水を取り入れ、用水路や導水管などの導水施設に水を供給するための設備である。地表水の取水では、水源に応じて取水堰、取水門、取水塔、取水枠などがある。

直接取水、取水口による取水
比較的流況の安定した大規模な河川や湖沼からの直接取水を行う場合には,堰などにより水位を安定させ,取水口や取水枠から取水するのが普通です。ただ,取水口では流芥物の侵入があり,取水枠では逆に沈降物による閉塞という問題がありました。水中では掃除もままなりません。このようなニーズを踏まえ,現在も取水設備と流会阻止装置の研究は,さまざまに行わています。
取水堰による取水
取水堰を設置し,これに取水のための設備を組み込む方法です。取水の方法としては直接取水とする方法,集水埋管を利用する方法,ストレーナ装置を利用する方法などがあります。
取水塔
取水塔とは,貯水池などの水面・水深の安定した水源から大規模に取水するときに採用される形式です。構造物が大きくなる欠点はあるものの,選択取水が可能な利点があります

 


取水施設の安全管理について
取水施設の安全管理について述べるにあたり取水施設は河川や湖沼、ダムなどから水を取り入れるための重要なインフラであり、浄水処理や工業用水、農業用水の安定供給の起点として機能していることから、その運用における安全性の確保は社会全体の生活基盤を支えるうえで極めて重要であり第一に挙げられる管理項目としては、取水構造物の健全性維持があり、定期的な点検によって水門や除塵機、沈砂池、導水管などの設備に異常や老朽化がないかを確認し、必要に応じて修繕や部品交換を行うことが求められ取水効率を維持すると同時に水の流入異常による事故や設備破損の未然防止につながり取水源となる河川や貯水池の水質にも常に注意を払う必要があり流入する水の濁度や油分、化学物質、有害成分などが基準値を超えた場合には直ちに取水を停止し、原因の特定と対策を講じることで浄水処理施設への悪影響を防ぐとともに、供給水の安全性確保を徹底することが重要である。次に外的要因からのリスクとしては、豪雨や洪水、地震などの自然災害による施設被害が挙げられ取水口の破損や導水路の寸断を想定した災害対策を事前に講じ緊急遮断設備や予備系統の導水路、非常用取水設備などを整備しておくことで、万一の際にも最低限の取水機能を確保できる体制づくりが求められ、また不法侵入や破壊行為、水源への有害物質投入などの人為的リスクに対しても監視カメラや赤外線センサー、警報装置、警備員による巡回などを組み合わせて複層的なセキュリティ対策を講じることが不可欠である。定期的な避難訓練や安全教育の実施を通じて現場職員が緊急時に的確かつ迅速に対応できるスキルを維持し続けることが人的ミスや情報伝達の遅れを防ぐ上で非常に有効であり、設備面だけでなく運用面からも安全性を高めることが重要である。
設備異常や水質異常をいち早く検知するために各種センサーや自動監視装置を活用したデジタル監視システムの導入も進められている。異常検知の即時化と対応スピードの向上が可能となり情報共有の迅速化によって複数の関連機関や自治体とも連携しやすくなる。取水障害が周辺住民の生活や産業に影響を与える前に早期対応できる体制を確立することが可能であり、以上のように取水施設の安全管理とは、物理的構造の維持、水質保全、災害対策、防犯体制、職員教育、情報監視体制といった多角的な取り組みを常に総合的かつ継続的に行う必要があり、その一つひとつが確実に機能することで社会全体の水利用の安全と安定が守られるという認識を持ち続けることが今後の持続可能な水資源管理において極めて重要である。