ご説明
水道管内部に発生した錆等を除去し、清掃後で、その内面の錆を塗装したり被覆する工事を言う。工事にて管の通水機能回復させると同時に、錆の再発生を防止します。給水管の腐食
建築物内における給水管には古くから、水配管用亜鉛メッキ鋼管「旧称:水道用亜鉛メッキ鋼管JIS G 3442」が用いられていました。しかし、使用後数年経過すると亜鉛メッキ層は劣化し素地の鉄の腐食により赤水発生に至るのが一般的だったのです。老朽化した亜鉛メッキ鋼管内面には錆びこぶが生成しており、小口径管の配管は錆び詰まりによる出水不良も発生しています。錆びこぶの大きさ及び管内での分布状況は水質や使用条件により異なり小さな錆びこぶが数多く分布しているもの、大きなこぶがところどころに生成されているもの比較的平滑な錆び層を形成しているもの等がある。こうした問題に対処するため、給水管は防食性を考慮した硬質塩化ビニルライニング鋼管等の鋼管に移行した。これに伴い、昭和47年に水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管「JWWA K 116」として、昭和57 年に水道用ポリエチレン粉体ライニング鋼管「JWWA K 132」として日本水道協会規格が制定されました。この種の管に接合する継手については、昭和49 年に水道用樹脂コーティング管継手、昭和59年に管端防食形継手が開発され使用されてきた。しかしながら、管端部の防食処理が不十分であったり、管端コアの挿入忘れ等の施工上の欠点もあり継手管端部で鉄が露出し、腐食して赤水を生じる事例は後を絶ちません。現在、継手内面を樹脂で被覆するコア内蔵型あるいはコア組込型継手が開発されるなどの改良が加えられて管・継手部での錆びこぶは少しずつ減少しつつあります。
更生工事が行われる条件とわ
更生工事が行われる条件とは、既存の配管や設備が経年劣化や腐食、機械的損傷などにより本来の性能を十分に発揮できなくなった場合に適用される改修作業のことを指す。まず第一に配管内部の腐食や錆の発生が著しく漏水や赤水の原因となっている場合に更生工事の必要性が認められる。これは配管の耐久性を回復させるだけでなく、水質の維持や住環境の安全確保にも直結する重要な対応である。次に接合部や継手部分の劣化によって水漏れのリスクが増大し通常の修繕では不十分と判断された場合も更生工事が検討される。
地震や地盤沈下などの外的要因による配管の変形や破損が発生し、配水の安定供給に支障をきたす恐れがある際には速やかに更生工事を行うことが望ましい。配管の内面に堆積物やスケールが蓄積し水流の抵抗が増すことで供給圧力の低下や流量不足が生じた場合も更生工事によって内面を修復し正常な機能を回復させることが求められる。これらの状況に加え、配管材料の老朽化や時代にそぐわない仕様のために耐震性能や耐腐食性能が現代の基準に達していない場合も、更生工事を実施し最新の性能基準に適合させることが安全性向上に繋がる。なお、更生工事の具体的な判断は定期的な点検や検査結果に基づき行われることが多く漏水頻度の増加や水質の悪化、管路の変形検出など複数の指標を総合的に評価し必要な部分のみを効率的に修繕しコスト面での負担を抑制しつつ長期的な配水管の安定稼働を図る。現代では、更生工事には内面被覆工法やライニング工法、管更生用樹脂の充填など多様な技術が用いられ工事期間の短縮や周辺環境への影響軽減が可能となっている。さらに、更生工事は単に配管の補修だけでなく耐久性の向上や将来的な更新計画の一環として位置付けられており持続可能な水道インフラの維持管理に重要な役割を果たしている。これらの条件を踏まえ、適切な時期に更生工事を行うことは漏水の防止や水質の安定、災害時の安全確保に寄与し、住民に安心で安定した水の供給を実現するために不可欠である。したがって、更生工事の判断は技術的検査の精度向上とリアルタイムな状態監視技術の活用により一層確実性が増しており今後の水道管理の高度化に寄与すると考えられる。