用語大全集

関東水道修理隊

ヘッダー工法

宅内に設置されている給水や給湯配管には、大きく分けて先分岐工法とヘッダーエ法の2種類があります。
先分岐工法は、ソケットとチーズやエルボなどの継手を使用して主管から洗面所・風呂・台所・トイレなどの末端水栓に順次分岐しながら接続し配管する工法のことで、在来からよく使用されていたため在来工法とも言っています。
これに対して、ヘッダーエ法は、架橋ポリエチレン管やポリブテン管など可とう性の高い合成樹脂管の普及に伴って、サヤ管工法の利便性と相まって、ビルやマンションなどの集合住宅などでサヤ管ヘッダーエ法として近年急速に用いられる工法として普及してきました。
簡単に説明すると、ヘッダーから各末端の水栓に直接配管されることになるので、壁内部や床下などの見えないところに継手をほとんど使用(急激な角にわ継手を使用することもある。)しないため維持管理に非常に有利とされています。
施工上においても、継手の種類が極端に少なく部材管理がしやすいという利便性のメリットがあります(ソケット、エルボ、チーズなどを原則としてほぼ使用しない)。また使用上の利点として、ヘッダーと水栓は1:1で相まっているので、給湯配管における湯待ち時間(水栓を開いてから湯が出てくるまでの待ち時間)が先分岐配管にくらべて短いというメリットがあります。
本来、合成樹脂管を使用するサヤ管ヘッダーエ法は、百年住宅構想に基づき水管の更新ができる工法として考案されましたが、広く普及した要因はそれ以外にさらに2つの理由があります。
1つは、サヤ管内にパイプを通すことから、建築工事上サヤ管を設置しておけば壁や床が出来てからでもパイプや水栓器具を接続することが可能となり、ビルやマンション等の集合住宅における工程管理上のメリットがあるからからです。
2つめは、継手がヘッダー部と末端継手部だけになり漏水を起こしやすい個所が壁内や床下になくなること、それに伴って維持管理上の点検箇所がヘッダー部と水栓部に集約されて漏水点検が非常にしやすくなったことがあげられます。
特に後者の利点によって、住宅品質確認法の施行に伴い飛躍的に架橋ポリエチレン管やポリブテン管などの合成樹脂管を使用したサヤ管ヘッダーエ法がおおくの配管設計の段階から普及したのです。
戸建住宅においては、床下での配管の維持管理が可能なことから先分岐工法で配管される場合もあるのですが、
上記2つの理由と更新性により、新設の集合住宅(オフィースビルも含む)では、ほとんどがサヤ管ヘッダーエ法で配管されていると言っても過言ではなくなったのです。

ヘッダー工法の特徴
衛生・安全性
配管材は、「架橋ポリエチレン管=キュアレックスWS」ですのから、スケールが付着し難く錆びないので赤水の発生もまったくありません。また、配管材自身の腐食による漏水トラブルもほとんどありません。清潔な水を供給することができます。
耐久性
配管材は、キュアレックスWSSを使用しているので、長い年月が経っても優れた耐熱性・耐久性を保つことができます。
快適性
「ヘッダー」で分岐するので、在来工法と比較して、複数の水栓を同時使用したときの流量変動がかなり少なく、バランスの良い流量を供給することができます。また、キュアレックスWSSの熱伝導率が小さくて配管長が短くなるので湯待ち時間が短縮することができます。
施工性
施工は、熟練工や特殊な工具機械を使わなくても施工できます。また、ネジ切り、溶接、接着などの従来の特殊な作業も必要なくなります。キュアレックスWSS・さや管は、金属管より軽く、長尺、可とう性があるので、取扱が容易で、さらに、接続箇所がヘッダーと水栓側の2カ所と少ないので作業時間がかなり短縮することができます。
更新性
さや管ヘッダ工法では、さや管の中にキュアレックスWSSが入った二重構造になっているので、もしもの時の補修作業やメンテナンス等で配管の交換が必要な場合でも、床や壁の造作、或いは、建築躯体などをほとんど壊さずに「さや管」の中の「キュアレックスWSS」を引き替える作業で行えます。


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